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【ラップの話 第4話】その頃、「幕の内弁当」製造の厨房では・・・

前にお話ししましたように、運用担当者は、まず、主食(現金部分)とおかず(株式部分)の詰め込み具合に注意を払います。その中で「おかずたち」は非常に重要です。

東京証券取引所第一部に上場されている銘柄だけでも1800銘柄以上ありますが、これらの素材から投資に値する銘柄を選び出し、量や質、賞味期限、味付けの組み合わせなどなど、限りないほどの選択肢の中から最適なものに向かって入れ替えていきます(健康管理ですね。)それぞれ賞味期限も異なる「おかずたち」の組み合わせによって運用成績が左右されるものですから、運用担当者は、主食(現金部分)の量やおかずたち(株式部分)の詰め込み具合に工夫を凝らし、より美味しく、より美しく、そしてより健康的で季節感のある「幕の内弁当」を提供し、満足していただけるよう、日々、努力を重ねていきます。

しかも、ひとつひとつの料理がよく出来ていても、取り合わせを間違えると台無しになってしまいます。大事なのは変化とバランス。ご存知のように、その組み合わせは、あるときは最適であっても、その翌日にはもう最適ではなくなっていることが多々あるのが金融市場です。そのため、日々の見直しは欠かせません。このような「投資判断」にか関わる作業も、ラップ(Wrap=包む)されているんです。

このように、運用担当者はいつも悩んでいるわけですが、こんな時、運用者の考えを裏付けける(自信を持って入れ替えをする)ために、投資判断をする上で頼りになるテクニカル指標に活躍の場が訪れます。個別銘柄同様、多くのテクニカル指標にも、それぞれに「癖」があります。そんな「癖」のある指標を単独で見ていては、全体の投資判断を誤ることがあります。短期指標、中期指標、長期指標などの複数の指標を組み合わせて見ることが重要ではないかと考えています。どんな相場にも完全にフィットするというわけではありませんが、少なくとも中長期では「大ハズレ」のない「自分なりの指標」を、運用担当者は持っているようです。

つづく

干 城

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